今回は初心者でも比較的とっついやすいワックスでの手作りピアスの作り方を紹介する。
手順や使う道具なども交えて作業の流れを説明しますね。
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架空動物ピアス!?
もともとは、ブタ料理を専門に扱っているお店のマスコットキャラクターとして考えていたものだ。
どんぶりに入ったブタをイメージしながらの彫っているワックス原型がこれ。
ブタのふてぶてしいさとウサギの可愛らしいフォルムをイメージして彫ってみた。
ワックスで彫る場合は、とにかく頭の中にどれだけそのデザインイメージが立体的に思い浮かべられるかが大事なのだ。
慣れないうちは時間をかけていいので、コツコツとそのイメージに近づくよう少しずつ彫りすすめていけばいい。
使用する道具はこれ
スパチュラ、耐水ペーパー、ヤスリ、リューター
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そのデザインの大きさよりやや大きめの四角いワックスを用意する。
リューターを持っているなら、先端に先端工具を付けてざっくりとワックスを彫っていくと効率がいい。
ない場合は、ヤスリを使って削っていく。
ある程度余分なワックスが削ぎ落とせればいいので、次にスパチュラを使って細かなデザイン部分を彫っていくのだ。
とにかく地道にワックスを削っていくのみ。
ここの作業でデザインの80%程度まで彫り上げていくのだ。
ピアス用ともなれば、デザインも小さく持ちづらい。
誤って力が入り過ぎてワックスを折ってしまうなんてこともあるので注意しよう。
もし、折ってしまってもワックスペンがあれば修正できるので問題ないが、ワックスペンの扱いが慣れていないと、デザインが崩れて元に戻すまでに相当の時間ロスとなるだろう。
折らないにこしたことはない。
次にデザインの輪郭をなめらかに整えるために耐水ペーパーやスポンジ研磨材を使う。
800番あたりからスタートして2000番くらいまで番手を徐々に細かくして、最後に小キズがないか確認しながら、ストッキングやワックスフィニッシュで艶が出るまで磨く。
ここまでがワックスの原型制作だ。
ここから先は、鋳造という作業に入り、出来たワックスを使って、そのワックスデザイン通りの金属を作り出す工程に入る。
この作業は、専門の機材を取り揃え、操作の知識も必要となるため、ボクはいつもお世話になっている工場にお任せすることにしている。
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そして、これがシルバー925にキャストしたものになる。
この画像では、もうすでに湯口も取り除き、下磨きが終わっている段階のもの。
こいつをこれから、いぶし液に放り込んでうさブタ煮にしていく。
シルバーはいぶし液に入れると化学反応を起こして、表面が硫化するのだ。
この現象を利用して、シルバーの白銀の色といぶしで反応した黒い色のコントラストで陰影を表現する。
目の中の輪郭や鼻の穴などいぶしを残し、全体を鏡面に磨いて仕上げる。
そして、耳に丸カンを通して、ピアス棒とつなげれば、
うさブタのシルバーピアスの完成!
ワックスは思いのままのデザインをカタチにすることができる。
今回のうさブタシルバーピアスは一度もロウ付けをしない、ようするに火を使わないでも作れるピアスなのだ。
あなたも完全オリジナルのピアスに挑戦してみてね。
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