さて、前回はブローチの飾り部分である
リーフ(葉っぱ)の形に貝を加工するところまでのお話をしました。
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手作りブローチが作られるまでの流れ2
今回は、いよいよ地金加工による原型制作に入ります。
まずは、葉っぱの切り出しからです。
デザイン画と加工した貝の形を見比べながら、
ひとつひとつの葉っぱの形を地金に書き込んでいきます。
地金に書き込んだリーフを糸鋸を使って切り出していきます。
すべて切り出したものがこちら↓
ほぼ実寸サイズに書いてあるデザイン画なので、
そのまま見比べながら、切り出した葉っぱの大きさを整えていきました。
続いて、
貝が乗る底板の部分は、透かしを入れて爪を立てていきます。
透かしとは、デザインの輪郭に合わせたりして、内側部分をくり抜くことを言います。
透かしを入れるのはなぜかと言うと、
グラムを落とすためと同時に見た目の美しさを考えて入れるのです。
爪をロウ付けしたものに貝を合わせて大きさの確認をします。
さて、切り出したパーツが出来上がりましたので、
いよいよパーツ同士を組み合わせる作業に入ります。
葉っぱと茎のロウ付けです。
付けたい場所に正確にしかも綺麗にロウ付けするためには、
豊富な経験が必要になってきます。
私がどんなふうにロウ付けをしているのかちょっとだけ彫金脳をお見せすると、
ロウの特徴や金属の特質・形状などを理解した上で、
つなぎ合わせるパーツをどうセッティングして、
熱を何処に当てればいいのかなどを考えながら作業をしていきます。
具体的なロウ付けの方法については、違う機会にしっかりと説明したいと思います。
ロウ付けが終わり、デザイン画のような形に茎を曲げていき、
貝を入れて全体の雰囲気を見ながらの、デザインの最終調整です。
貝部分以外の残りの葉っぱには、
宝石を敷き詰めるパヴェ留めをしていきますので、
まずは、石を並べるための石座の穴を開けていきます。
そして、
今回のパヴェでは爪を立てて留めていきますので、
爪用の穴も開けておきます。
すべての石座と爪が立ったものがこちらです。
いやぁ~この爪立てはなかなか骨の折れる作業でしたね。
ここまでが、原型制作までの流れです。
今回は原型としてシルバー925で作りましたので、
この後、この原型を基にして型(かた)を取って、
その型を使ってプラチナのブローチを作っていきます。
次回は、石留めの仕上げ作業を紹介したいと思います。